一寸法師
山へ
芝刈りに。


出かけて
そのまま
行方不明。



山から戻った
捜索隊は
山菜とキノコを
どっさり抱えて
上機嫌。


そのころ
一寸法師は、
コロボックルの集落で
酒と山菜料理を
ごちそうになりながら

「すべては相対的なものだ」

晴れやかな笑みを
浮かべていたのだと
いいます。



一寸法師サイズの者にとって水の表面張力というのは非常に大きいもので、ただ
の水滴もまるで餅のようにネバネバしています。
一寸法師はこれをよく喉につまらせて危険な状態に陥り、その際に踊りのような
動きをしますが、これが世間では求愛のダンスと勘違いされています。
 
「雄の一寸法師の求愛ダンスを雌の一寸法師が受け入れ、こうしてカップルが誕
生しました」
 
なんてNHKの番組で映像つきで解説してますが、まちがいです。
あれは単に見かねて介抱してやってるだけです。
 
「一寸の虫にも、あの、あれが、タンパク質とか色々……ポリフェノール?……は多
分……ないですけど……けっこうおいしいのもあるので……はい(差し出す)」
 
「もうプーさんたら(食べる)」
 
そんな樹上生活こそが望ましいと
聞きました。