くだらないことだけやって
数十年後に死にたいです。


でも
業が深くて
それも無理!



まあそんな
架空の悩みが
あったとして



「お困りのようですね」(←通りすがりの紳士)


「あっお金をください!」


「1円あげますから
 同じことをおよそ一億回ほど
 繰り返しなさい」



あの、あの、
やっぱりメメント・モリって大事だなあ、
としみじみ思ったんですけど、そうだ、
自分のことを話すときには語尾にかならず
「数十年後に死ぬ」
と付け加えるようにすれば
けっこうメメントなのではないか。
そんなことを今日ふと思いつき、そして
数十年後には死ぬんですけども、
我が家には
我々夫婦の二人ともなぜか
一度も見上げたことのない
廊下の片隅があり、
そこにはいつも
見たことのない女の人が逆さまに
ぶら下がってるんですけど
我々は一向に気づきません。
でもその女の人の髪の毛が
少しずつ伸びているから
いつかふと我々も
気づく日がくるのではないかと、
そんなやくたいもないファンタジー
ふけっていたら
トイレに行きにくくなってしまい、
数十年後に死にます。



「お困りのようですね」(←通りすがりの紳士)


「あっお金をください