さて、
先日、
前衛芸術家から教祖へと
華麗な転身を遂げた
トリコ西という人物の
話を書いた際に
彼が「生死の境を往復した」と
書きましたが、これは本当に
文字通りの往復だったんです。
そうなんです。
 
反復横飛びのように
この世とあの世の境界線上を
行ったり来たりした結果、
トリコ西は合計7回の
臨死体験を体験しています。

これはもちろん世界記録で、
ちなみに二位はトルコの主婦の
3回ですから、
きわめて珍しいケースであると
言えるでしょう。


のちに教祖となったトリコ西は
この時の体験から
独自の教義を編み出しました。


すなわち
「あの世は七つある」。


歌も作りました。


「♪あの世は〜
 全部で七つ
 あるんや〜でぇ〜〜」

(↑月亭八方氏のクレームにより
 レコード化を断念)



どうやら、
7回の臨死体験でそれぞれ
まったく違ったあの世の
姿を垣間見たようで、
その一つ一つに彼は
名前を付けています。


「だだ極楽」
「無理地獄」
「金物水」
「どくろロータリー」
「みその森」
「沼ビュービュー」
「犬皮敷」


じゃあ順に説明していきますね。
 
しなくていいですか?


あっ、
でも「犬皮敷」の話だけは
させてください。
これが一番重要なんです。
そうなんです。


まあ大体想像は
つくと思いますが
これは見渡す限りびっしりと
犬の皮が敷き詰められた
だだっぴろい野原なんだそうです。

犬の皮にはトラの敷物のように
頭としっぽがついており、
あちらこちらでふさふさと
風になびいているのか
自力で振ってるのか
よくわからないランダムな
動きをします。

そして、あちらこちらで
全裸の人間がこの犬の頭に
全身を噛まれて
「うおーん」と哭いています。

犬も
「うおーん」と哭いています。

もうとにかくみんな
「うおーん」と哭いています。

風がむおーんと吹いています。


はげしく号泣しながら
息を吹き返した西は

「うわあー
 どうでもいいー」

と絶叫すると
病室の窓ガラスを
映画のように微塵に散らして
折しも下の国道を通過中の
トラックの幌に突き刺さり
そのまま盛岡へ行くなどといった
紆余曲折をへて、
約20年後に教祖になりました。


だから
本当に
気を付けなくちゃいけない。



何をって
えー

健康に。


皆様も
風邪と口内炎には
じゅうぶんに
お気をつけあそばして
箸ころばして
ヨダレ垂らして
笑う午後。



なんかこう、
あれですね、
年末ということで
気持ちがワタワタしますね。


「もういくつねると!」
「もういくつねると!」

(貧乏ゆすりで
モニターに向かいながら
唱和する社員たち)