「オマエハアシタシヌ」
 
「オマエハカゼヲヒク」
 

それぞれ書かれた2枚のカードを
念入りにシャッフルし、
裏を上にして含み笑いで差し出す黒眼鏡は
上位存在に特有の非現実なオーラを
雄弁に発していたものだから
カードを引くこちらの手もかすかに震え、
抜いたのをそっと表に返せば
中央に大きく
 
「△」
 
のマーク。
 
 
黒眼鏡は
「見せないで! まだ見せないで!」と
こちらを手で制しながら
しばし眉間にしわを寄せ、
 
 
「○!」
 
 
 
 
ですから
結論を申しますと
負けっぱなしの週明けでございます。
 
 
のどの奥で長期滞在を決め込む
エヘン虫ども(ahem bugs)が
「エヘンて言ってみ? エヘンて10回言ってみ?」
 
 
 
エ ヘ
 ン
 
 
(↑こうしても顔にみえる)
 

 
「完治するまでが風邪です」と
あのとき教師は言ったはずではなかったか。
 
プレハブの教室に48の机を寄せ合った
96の瞳の我々は、それに応えて
「そうですね」と
フラットに唱和したはずではなかったか。
 
 
なかった。
 
 
モッシュピットはなかったし
ローリングストーンズは来なかった。